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▲欧州的登山生活▲

作成者:admin 作成日:2010/05/29 - 23:13

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△第97号: ラ・グラブの氷壁再訪 (前編)

発行日
2010/04/15
発行者・筆者
まさ (坂野正明)

まさです。
4月初めの復活祭の休暇では、ハイランドに冬山登山に 行きました。2日目の晩から朝にかけて 20cm の降雪があって、 テントが雪でちょっと埋まってしまって、またなにより、 予期しない雪崩の心配がでてきてルート変更を余儀なくされたり、 とハプニングはありましたが、ハイランド西海岸地方らしからぬ よい天候に恵まれた楽しい山行でした。今週末もまた行ってきます。 今度は初の夜行列車の旅で!

さて今回は、2008年12月に行ったフランスはエクレン・アルプスの麓、 ラ・グラブの氷壁登攀の旅の記録を主題とします。 その 3年前の 2006年1月に一度、訪れたことが あります(メルマガ第30、 31号)。 もどかしく感じた当時と違って、初めて 氷壁登攀三昧を味わった充実感がありました。 ……もっとも、二日目までは予定通りにはいかなかったのですが(苦笑)。 詳しくは以下の本文をどうぞ。

また、読者の一人からお便りを頂きました。 御紹介させて頂くとともに、頂いた疑問に 以下に御返事差し上げています。 お楽しみあれ。

目次

  • 登山記録編 〜〜 ラ・グラブの氷壁再訪 (前編) 〜〜
  • おたより紹介
  • Webページ更新情報

登山記録編 〜〜 ラ・グラブの氷壁再訪 (前編) 〜〜

本格的な氷壁登攀は初めてのグレアムとともに、ラ・グラブに。 12月半ばと季節的に早いので、氷が登れるほど 成長しているかどうかが気になるが、そこは賭けだ。

さて、 グルノーブル空港に着くと、相当量の雪がある。 これは期待できそうだ! ところが……、市のバスターミナルからラ・グラブ行きの バスが発車しないではないか。往生していると、その場で一人の少女登山家が親切にも 声をかけてきて、助けてくれた。要するに、 雪が多過ぎて、ラ・グラブへの道が通行止めになっているという! ひぇ〜〜。
結局、この日、行けるところまで行って、ホテルに飛び込んで素泊まり。 翌日、さらにバスで行けるところまで行って……、最後はヒッチハイク。 なんとかラ・グラブに到着。

荷物を下ろして装備を持ってすぐに飛び出す。1本でも氷壁を登るべし、と。 ……しかし、あるはずの氷壁が捜しても捜しても見当たらない。 雪の斜面をかなり登ったところで、どうも僕のおぼろげな記憶と一致する 場所に出る。これは、3年前に登った Goulotte Verney ではないか? 当時、氷だったが、今は雪が多過ぎて、すべて雪に埋もれている ということでは? と思い至る。つまり、僕たちは、WI 3 のルートを ピッケル 1本のみどころか、クランポンさえ無しで登ってきたのだ! なんと優秀な登山家! (笑)

結局、そこから懸垂下降で降りて、撤退。 ただ雪の斜面をひたすら歩いただけの一日だったということ。疲れた。

(つづく)


おたより紹介

神奈川県の下山家さんからお便りを頂きました(下山家さん、 ありがとうございました)。 以下に紹介します。

私はこちらでは社会人山岳会(http://homepage1.nifty.com/bac/) に所属して山を楽しんでいます。年間計画を決めて、平日に集会を して(イギリスの山岳会ではパブミーティング)週末に山行したり と似ているところが多いですね。たぶん日本の山岳会のルーツはイ ギリスにあるのではないかと思います。すごいと思うのはイギリス の山岳会はどこもヒュッテを所持しているところです。資産家の寄 付による物なのかな?と想像しています。会員の年会費だけじゃ買 えないですよねきっと。あと驚いているのが山岳救助隊の存在です。 その数80チームぐらいあります。どこもボランティアによって運営 されています。それだけ自然が豊富なのか、遭難する人が多いのか。 いろいろ疑問が浮かんできます。

頂いた疑問について、僕の知っている範囲で、今回から数回に わけて御返事します。 疑問をまとめると、以下の三つになりますね。 今回は、まず、最初の疑問について。

  • イギリスの山岳会について
  • 山岳会所有のヒュッテ
  • イギリスの山岳救助隊

英国の山岳会にて、 「年間計画を決めて、平日に集会をして、週末に山行して」 というのは、広い意味でおよそそうだと思います。 年間計画には、遠隔地の宿泊地(ヒュッテ)を(多くの人数分)予約することも 含まれます。連休の週末などだと、1年以上前から予約する必要が あったりしますから、そういう意味で、ある程度の年間計画は あった方がいいですね。たとえば 20人分ヒュッテをとりあえず 予約しておいて(時には貸切)、実際の参加者は、時期が近付けば募る、 ということになります。

「平日に集会」が、「パブミーティング」と言えば聞こえがいいですが、 実際はただ集まって飲んで駄弁っているだけなのがほとんどだと思います(苦笑)。 もちろん、そこで週末の山行の参加者を募ったりもしますし、 時には会について三々五々と議論や打ち合せがされることもありますけどね。 当然、出席するしないは完全に個人の自由です。 公民館に集まってまじめに「集会」するのとは、全く雰囲気が異なります……。 まじめに全員で討議するのは 1年に 1回なのが普通という印象です (AGM: Annual General Meeting (=年次総会))。 各山岳会では運営委員が(毎年)選ばれるので、運営委員の間では 定期的に会合が開かれて実務的なことが決められる、という感じでしょうか (必要に応じて、そういう運営会議は会員全員に開かれたものになります)。

余談ですが、(どこの組織であれ) AGMでの討議は、見事なものです。 議事進行がきれいに様式化されていて、合理的で無駄がありません(無論、 無駄なことを言いたがる人がいるのはどこも同じですけどね、 ただ少なくとも議事進行という点では合理的です)。 きっと幼少の頃から訓練されて身についているのでしょうね。 民主主義が根付いているのはこういうことかと感心します。 もし興味があれば、「ロバート議事規則」で調べてみて下さい。

(つづく)


Webページ更新情報

  • この記事は、以下にも載せました。
    http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/magazine/backnumber/eu097.html

次回予告

次回は… 「ラ・グラブの氷壁再訪 (中編) 〜〜未経験の難易度」

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